著者 | Yosuke Amagai, Yuka Makita, Masaki Takai, Ryo Muko, Hiroshi Matsuda, Akane Tanaka |
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雑誌名 | Letters in Applied Microbiology |
巻・号・頁 | Volume 67, Issue 4, Pages 343-347 |
掲載年月 | 2018年10月 |
内容 | 黄色ブドウ球菌の過剰な増殖は、アトピー性皮膚炎(AD)を含むいくつかの皮膚疾患に関連している。近年、我々は2価の金属イオンをほとんど含まない高純度軟化水での皮膚洗浄がアトピーの皮膚コンディションを向上させることを証明した。本研究では、試験管内と生体内の両方で、黄色ブドウ球菌の増殖におけるカルシウムまたはマグネシウムの役割を調べた。培地内のカルシウムとマグネシウムの除去は、黄色ブドウ球菌の増殖を著しく抑制した。培地と同じ濃度(炭酸カルシウム換算硬度で83.0mg/L)でカルシウムとマグネシウムを含む水、または、ほとんどカルシウムとマグネシウムを含まない水に希釈した黄色ブドウ球菌を、テープストリッピングしたHOS:HR-1マウスの皮膚に添加した場合、カルシウムとマグネシウムを含まない水において皮膚上の黄色ブドウ球菌の成長が抑制された。これらの結果は、カルシウムとマグネシウムの除去が、培養系の中のみらなず、マウスの皮膚表面においても黄色ブドウ球菌の増殖を抑制することを示唆している。皮膚上の黄色ブドウ球菌の定着はAD症状の増悪因子としてよく知られているため、カルシウムとマグネシウムをほとんど含まない高純度軟化水の利用は、皮膚に問題のある患者の皮膚上での黄色ブドウ球菌の増殖を抑制することで皮膚コンディションを向上させると考えられる。 (原文) |
Reduction in the colonization of Staphylococcus aureus on the skin surface under calcium‐/magnesium‐depleted conditions
(カルシウムとマグネシウム除去による皮膚上の黄色ブドウ球菌定着の抑制)
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